高山さんからの手紙
#044

IMCCD 高山さんからの手紙 #044

現実から目をそらさず、「どうしたら戦争を防げるか」を考える

国それぞれ文化や歴史を理解し合い、認め合う

 みなさん、こんにちは。今年はうさぎ年。幸せに向かってぴょんぴょんと跳ねていけるとよいですね。カンボジアのお正月は4月ですので、1月1日は普通の休日です。でも私は日本のお正月気分を味わおうと宿舎のハウスキーパーにお願いしてお雑煮を作ってもらいます。お餅はカンボジアのもち米を用い、日本で買った餅つき機で手作り。ヤシの木に日本の国旗も掲げ、日本のお正月を楽しみました。
 日本固有の文化があるように、世界各国にもそれぞれ特有の文化があり、歴史があります。考え方も生活習慣も、国際社会は様々。互いに理解し合い、認め合うことが大切です。
 今、ロシアとウクライナの戦争が続いています。「戦争とは、自国の意思を相手国に強要し、相手国を屈服されること」と言われますが、傲慢な思考ではないでしょうか。私は、カンボジアで地雷処理の活動をしていますが、カンボジアの場合はカンボジア人同士が戦う内戦でした。そこに隣国ベトナムや中国も加わり、1970年代から90年代にかけて、激しい争いがカンボジア全土で繰り広げられたのです。多くの人が命を落とし、家庭や地域社会を破壊されました。今も地雷や不発弾が国土に残されたままで、安心して生活ができない地域が数多くあります。

正しい知識を身につけ平和について考えて。

 戦争を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか。人類にとって大切な課題のひとつです。「戦争は嫌だ!平和がいい!」と念じても平和はやって来ません。「どうしたら戦争を防げるか」という「本質」を考える必要があります。武力ではなく話し合いで解決するのが一番よいことですが、現在のウクライナのようにそれができない場合はどうしたらよいのでしょうか。
 国民が、政治や国際関係について無関心でいることが一番怖いことです。本当の現実を知り、正しい知識を身につけることが大切ですが、新聞やテレビ、インターネットと情報は溢れています。玉石混交状態の中から、正しい情報を読み取ることができるよう、メディアリテラシーも磨かなくてはなりません。今の戦争を他人事と思わず、どうすれば平和を守っていけるか、ぜひ改めて考えてみてください。