IMCCD 高山さんからの手紙 #036
相手を理解することの本質
完全に理解することは難しい」と知ることから国際理解は始まる
みなさん、明けましておめでとうございます。コロナで生活に大きな影響があった昨年。私の講演会も、zoomやLineなどのオンラインツールを活用するようになりました。最近は、日本の会場で講演を行う場合も、最近はほとんどカンボジアの現地と会場をオンラインでつなぐようにしています。その方が日本のみなさんに現地の様子をリアルに感じていただけるからです。 愛媛県松山市にある小学校とカンボジアの村の小学校をオンラインでつなぎ、子どもたちがお互いに質問し合ったときのことです。「日本のことはあまり知らないのでわかりません」カンボジアの子の発言に、日本の子どもたちや先生方が唖然とししていたことがありました。おそらく、多少は日本のことを知っているのだろうと思っていたのでしょう。 私は、日本人は国際感覚が低く、自分たちの考え方、尺度で国際社会を測ろうとしがちだと感じています。国際理解で大切なのは、「"理解はできない"ということを理解する」。それぞれの国は、建国の過程や歴史、文化、考え方などが全く違うのです。どうしても理解できない領域が必ずあります。その辺をきちんと理解していれば、誤解や不信感で悩むことはないと思います。
今までどおりとはいかないカンボジアへの帰路
成田空港はゴーストタウンかと思うくらい閑散としていて、人がわずかにいる程度。いつものように航空券とパスポートがあれば飛行機に乗れるわけでもなく、「PCR検査証」と「海外旅行保険証」を事前に準備しなくてはなりません。さらに仁川空港では、台風の影響で乗り継ぎ便が欠航。空港内のトランジットホテルは満室で、ベンチで一晩明かすことになったのでした。
翌朝には無事プノンペン空港へと出発することができましたが、到着後も今まで通りとはいきません。PCR検査を受け、陰性と判明するまでプノンペン市内のホテルで過ごさなくてはならないのです。外出や外部の方との面会はNGで、食事は昼も夜も弁当。陰性の結果が出てホテルを出られることとなったものの、14日間の外出自粛が条件でした。
たとえ国籍が違っても、相手を思う気持ちはきっと伝わる
長く私の通訳を兼活動パートナーをしてくれている方にも、「日本人の考え方とカンボジア人の考え方は似ているところもあるが、全く異なるところもある。それでそれは仕方ないことなので双方を尊重しながら割り切って考えるようにしょう」と言っています。私は、約19年間カンボジアで活動していますが、村人や政府関係者、その他多くのカンボジアの方に信頼されて活動ができていると思いますが、それは、カンボジアと日本の違いについて割り切って考えていることと、もう一つは、カンボジア人だろうがヨーロッパの方だろうがアメリカ人だろうが日本人だろうが、人種の違いはあっても「人として」の好意や相手を思う気持ちを前面に出して対応しているので、相手も好意的にフレンドリーに対応して頂いているのだろうと思います。ライブでカンボジアのみなさんと直接お話しするということは、そんなことに気付く機会になると信じています。ぜひ、野田塾のみなさんもオンラインでカンボジアの子どもたちとお話ししてみませんか。