IMCCD 高山さんからの手紙 #032
「令和」という時代が、平和で素晴らしいものとなりますように。
令和二年、新しい年の始まりです!
明けましておめでとうございます。みなさんは、令和2年の新しい年をどのように迎えたでしょうか。私は、カンボジアのタサエンという村で過ごしました。カンボジアのお正月は4月のため、1月1日は普段の休日と変わらず、年始らしい行事もありません。そのような中でも、1日の朝は雑煮が食べたいと思う私は、やはり日本人だなぁと感じます。日本からお餅を持ってきて、カンボジア人のハウスキーパーさんにお雑煮を作ってもらい、日本の風習を楽しみました。
人生で最も悲しい日もあった”平成”という時代
カンボジアへは、1992年~93年のPKOで初めて訪れました。そして2002年に定年退官し、またカンボジアにやってきたのです。カンボジアに来てもう18年。その間に「平成」が終わり、「令和」という新しい年号に変わりました。
もちろんこの18年間は、よいことばかりではありませんでした。平成19年1月19日、この日は私にとって最も悲しい日となりました。地雷処理作業中に対戦車地雷の爆破事故によって、カンボジア人7名の仲間を失ったのです。様々な原因がありますが、隊員に適切な指導ができていなかった私に責任があります。「悪い夢であってほしい」「事故の前日に時間が戻ってほしい」と何度も何度も思いました。
「令和」という時代に平和への願いを込めて
事故の翌年に慰霊塔を建立し、7名を慰霊してきましたが、12年経ち傷みが出てきたため、修理してお墓のない村人の合同慰霊塔として使い、7名の慰霊塔は新しく建立することにしました。そこには日本のみなさんから「お地蔵さま」が寄贈される予定です。激しい内戦が繰り広げられたタサエンから、お地蔵さまと一緒に、世界平和をお祈りしていきたいと思っています。
「令和」という時代は、どのような時を刻み、進んでいくのでしょうか。世界が平和であること、そして日本のみなさんも幸せで、穏やかな日々が過ごせるように願ってやみません。みなさんにとって有意義で、素晴らしい時代となるように心からお祈りいたします。