高山さんからの手紙
IMCCD 高山さんからの手紙 #029

IMCCD 高山さんからの手紙 #029

自立の促進こそ、本当の意味での支援活動。

建物をたてるだけでは、依存した暮らしから抜け出せない

野田塾のみなさん、こんにちは。入学や新学年の始まりの季節、桜が美しく咲いている頃でしょうか。  さて、私はカンボジアで小学校建設のお手伝いもしています。10年前から計12校を建設し、現在も2校を建設中です。当初は、学校さえ作ればよいと思っていましたが、今では、それでは本当の支援とは言えないと感じています。  他国からの支援が多いカンボジアは、まだ国として自立するという精神が育っていません。そのような状態の中で私は、自分たちで何とかしようとする自立の気持ちを育てることこそが本当の支援だと思うようになりました。村長さんから「学校を作ってほしい」とお願いされたときも、すべてを任せるのではなく、村民でやれることをやったうえで、どうしてもできないことをお願いしてほしいとお伝えしています。

支援する側も、支援のあるべき姿を考えた活動を

 建物、橋など目に見えるモノを建設し、「喜んでもらった!」というのは自己満足な支援活動です。本当に必要なことは、ハード的な支援より、ソフト的な支援ではないでしょうか。私は、学校建設を行う村には、ゴミを拾ってきれいな村にすること、学校ができたら履物を整頓して教室に入ることもお願いしています。それができる村は、学校の運営もうまくいくからです。
 ソフトの支援は時間がかかるうえに、目に見えるものではありません。しかし、私たち支援をする側も、自立につながる支援の在り方について考え、本当の意味での支援活動を行うべきだと思います。