高山さんからの手紙
IMCCD 高山さんからの手紙 #028

IMCCD 高山さんからの手紙 #028

試練にもめげずに、努力し続ける一年を。

強い想いが支える、地場産業の支援活動

 新年明けましておめでとうございます。私がカンボジアで新年を迎えるのも12年目。今まで命の危機も多々ありましたが、今年も新年を迎えられたことに感謝し、一日一日を大切にしたいと思います。
 私の活動は、地雷・不発弾の探知作業だけではなく、村人と力を合わせて様々な環境改善活動にも取り組んでいます。そのひとつ、地場産業の支援活動では、地雷を除去した畑や空き地にキャッサバという芋を植え、焼酎を作ることになりました。しかし、酒づくりの知識もお金もなく、失敗と挫折の繰り返し。それでも「村人にお金が回るようにしたい」という想いを持ち続け、酒蔵の協力を得るなどして努力を続け、焼酎「ソラークマエ」が完成しました。

何度も訪れる試練にもあきらめずに乗り越える

 完成した焼酎を日本に出荷する際にも試練がありました。厚生労働省の検疫検査に合格できず、輸出できなかったのです。原因は芋に含まれるシアンの濃度。日本の合格基準を満たすよう、再び難しい挑戦が始まったのでした。対策方法が判明したのは4年後。昨年6月、無事に検疫を通過し、日本で販売することに成功したのでした。全国に報道されたこともあり、当初の輸出量の480本は、一瞬で完売。急遽第2弾570本、第3弾1150本を日本に送りました。
 しかし昨年11月、また壁に突き当たります。シアン濃度を保つことができず、再度輸出不可となったのです。
今年こそ、自分と村人の夢を叶えるために…
 そんな私にとって、今年最大の目標は、シアン濃度を安定的に基準値以下に保てるように品質を改良し、再び日本に送ることです。さらに、ラム酒製造やアロマオイルの精油などに取り組むブランド「TASENPeaceGarden」を多くの皆様に届ける活動の基盤を作ることも大切な目標だと考えています。地場産業の発展を支援し、多くの人々を笑顔にするためにも、今年も努力を続けていきます。野田塾の皆さんも、今年一年、自分の目標に向かって頑張り、毎日を大いに楽しみましょう。