高山さんからの手紙
IMCCD 高山さんからの手紙 #027

IMCCD 高山さんからの手紙 #027

戦争のない世界をつくるために

戦争も喧嘩も、本質は似ているのかもしれない

 野田塾のみなさん、こんにちは。  私は年に4回ほど日本に帰り、様々な講演会を行っています。以前に小学校で講演会を行ったとき、6年生の男の子から『なぜ大人は戦争をするのですか?』と質問されました。みなさんなら、どう答えるでしょうか。  私はその男の子に問い返しました。『自分の家族や友だちが喧嘩しているのを見たことがありますか?』と。私は、喧嘩と戦争は、本質が似ているのかもしれないと思っています。  喧嘩も戦争も、互いの意見を主張し合うことで生じるからです。しかし、人間は考えることができる生き物。世界中の人が、考えたり、工夫したりすることで戦争のない社会をつくることができるはずです。質問をしてくれた男の子にもそう話しました。

過去の戦争と向き合い、未来の希望を探る

 大人の方からは、『なぜ内戦で埋められたカンボジアの地雷を日本人の高山さんが命がけで除去されているのですか?』と聞かれたこともありました。私は「誰が地雷を埋めたのか」という点を問題にしていては、平和にはつながらないと考えています。地雷は人間が犯した過ちであり、後世には残したくないものです。地雷を取り除き、過去の過ちを正すことで戦争のない世の中への道が見えてくるかもしれません。私はこれからも、戦争が残した物と向き合いながら、平和構築の希望を探っていきたいと思っています。

どうしたら戦争を防げるか、視野を広げて考えることが大切

 現在、日本でも毎日のように戦争に関するニュースが流れています。誰もが平和を願っているはずなのに。では、どうしたら戦争のない国際社会を実現できるのか、私たちは真剣に考えなければなりません。「自分には関係がない」と思わずに、視野を広げて考えてみてください。戦争を抑止し、防ぐためにどうするべきなのか。これは神様から人間に与えられた一番難しい宿題なのかもしれません。  地雷・不発弾処理活動はまだまだ続きます。すぐに解決できる問題ではありませんが、あきらめないで活動していけば希望ある社会を実現できるはずです。人々の幸せを願って、本質から目を背けないで活動していこうと思います。