IMCCD 高山さんからの手紙 #026
心と体を鍛えることが、国際社会で生き抜く力になる。
カンボジアでの活動当初、突然襲った精神的な病
野田塾のみなさん、こんにちは。今回は、心と体の健康についてお話したいと思います。カンボジアに来てから、私は何度か大きな病気にかかりました。最初は心の病です。2002年にカンボジアに渡り、活動を始めて2週間が経った頃、突然とてつもない不安感に襲われ、怖くて落ち着かない状態が続きました。帰国しようと日本に電話をかけようとしても、最後の番号を押せず、ためらう日々。結局帰国せず、ギリギリの精神状態で活動を続けました。その後も2年以上不安感に苦しみましたが、地雷処理活動ができるようになった頃、不思議と症状が落ち着きます。自分の想いが形になり始めた瞬間、精神的な病から解放されたのでした。
デング熱や狂犬病、様々な病気にかかる日々
蚊によって媒介し、命の危険もあるデング熱にもかかりました。発熱、発疹、頭痛、嘔吐などの症状をもたらす病気で、予防薬も治療薬もありません。10日間ほど毎日、療養していたプノンペンのホテルから病院へ通い、点滴と血液検査を続け、その後活動地の村で1ヵ月ほど静養し、やっと回復しました。
犬に噛まれて狂犬病の危機にさらされ、村の人たちを心配させたこともあります。狂犬病は、発症したら100%死に至る病気。村に病院はなかったものの、医療活動を行う方に血清を注射してもらうことができました。お蔭様で狂犬病の発症はなく、今もこうして元気に活動できています。
国際社会で生き抜くためには、たくましい体と心が必要
私の活動地の宿舎には、年間約100人の日本人が訪問されますが、体調を崩してしまう方もいらっしゃいます。体調が悪いと、活動もままなりません。
日本は「無菌」と言えるほど、衛生状態が非常によい国です。しかし、過度な衛生観念で無菌状態に慣れてしまったり、体調面をお医者様まかせにしたりすると、国際社会で活動するには少々心配かもしれません。私自身、様々な病気にかかる中で、体調管理の大切さに改めて気付き、自分なりに体調を整える術も身につけました。自力で体調管理をすることも、自分の身を守るために大切なことなのです。みなさんも、正しい医療受診もしながら、心と体を鍛え、国際社会でも生き抜けるたくましい身体をつくってください。