IMCCD 高山さんからの手紙 #019
日本で学んで、両国の懸け橋になりたい。
二人が日本へ留学
野田塾のみなさん、こんにちは。如何お過ごしでしょうか。カンボジアも日本と同じように暑い日が続いています。カンボジアは、40度を超えることも珍しくはありません。野田塾の皆さんは、暑い日本の夏を克服して夢を叶えるために、勉強に励んでいると思います。私は、地雷処理活動の傍ら、2008年から村の子供たちに日本語を教えています。ここで育った子供たちは、日本に留学したり、プノンペン大学の日本語学科や、日本のNGOがやっているプノンペンにある日本語学校に進んだりしています。それらの功績がカンボジア政府教育省に認められて、「IMCCD日本語学校」に認定されました。
満点をとった留学生リスラエン
現在、2名の留学生をIMCCDでお世話しています。一人は名前をタン・チエンター(20才)、愛媛の松山東雲女子大学の2回生で、もう一人はスロ・リスラエン(18才)、今年4月に松山市の聖カタリナ女子高等学校に入学し勉強しています。二人とも私が活動しているカンボジア北西部タイとの国境に接する小さな村の出身です。彼女たちは「日本とカンボジアの懸け橋になりたい」という夢を持っています。彼女たちの夢を叶えるためIMCCDのスタッフや、支援者、学校関係者が懸命のサポートをしています。まだ、十分に漢字が読めないのでアルバイトの大学生が1日2時間事務所に来て教科書にふりがなをうったり、その日習ったところを補習したりしています。
放課後はIMCCDの事務所で勉強
カンボジアは、日本ほど学校が十分ではありませんし、先生も十分ではありません。しかし、学びたいという気持ちは、本当に強いと思います。大変貧しくて家には電気もありませんが、長女のリスラエンは、少しばかりの家の畑を手伝いながら、妹、弟の面倒を見、学校に通っていました。2008年頃彼女の家は、地雷原のそばの小さな小屋のような家でした。今は安全になった場所に土地を買って住んでいます。そんな彼女を日本で勉強させたいと思ったのは、勉強が好きだということ、素直で頑張り屋さん、家族思い、日本語が一番上達したことなどでした。しかし、日本に連れて来て、高校入試の模擬試験をさせたところ、英語、数学、国語が全て「0」点でした。それで入試までの2ヶ月間、IMCCDのスタッフが家や、事務所で1日20時間くらい勉強させたところ、奇跡的に見事に合格したのです。今も学校の寮~学校~IMCCDの事務所という生活で、殆どの時間を勉強に使っています。数学の小テストでの満点は、クラスでただ一人だったとのことでした。
夢に向かって努力する子どもたち
しかし、まだまだ日本語が十分でないので、「日本史」や「古典」、「国語」など悪戦苦闘の日々を送っていますが、必ずや大学進学を目指せる学力まで伸びると信じています。そして、大学で勉強し卒業して、カンボジアに帰って夢を叶えてもらいたいと思います。大学生のタン・チエンターも夢に向かって日々懸命に努力しています。野田塾の皆さんからも毎年ご支援を頂いています。心からお礼申し上げます。 私の活動はhttp://www.imccd.org/ や、https://www.facebook.com/ryoji.takayama.77に出ています。直接話したい方は、pag.takayama@gmail.com にメール下さい。ではまた。