高山さんからの手紙
IMCCD 高山さんからの手紙 #013

IMCCD 高山さんからの手紙 #013

カンボジアの子供達は夢が持てるようになった。

自然と共に暮らすカンボジア人

野田塾のみなさん、新年明けましておめでとうございます。カンボジアのお正月は、4月の中旬ですから、この1月1日は普通の休日です。今は乾季の時期で雨は殆ど降りませんが、5月からは雨期に入ります。日本人と異なり、カンボジアの人は雨が降ると喜びます。暑さが凌げることや、水が確保できること、そして作物を育てるのに雨が必要だからです。

カンボジアは、本来農業国であり、人々は自然と共に暮らしています。特に、私の居るタイ国境に接する村では、それを強く感じます。

ジャングルが畑に

カンボジアでは、1996年頃まで戦争が続きましたが、タイ側に逃れていたポルポト軍の軍人や家族が帰って来て、ジャングルの中にヤシの葉などで家を建て、自分たちで地雷を除け、大きな木を倒し、土地を広げていきました。村に電気が来たのは10年くらい前で、国境の向こうのタイから電線が引かれました。

私が2006年に、この村に来た時には、ジャングルという状況はなくなって、畑がかなりできていましたが、タサエンという地域だけでも、指定された地雷原が、約60箇所あるとされていました。
あれから約6年が経ち、地雷原の約90パーセントは除去しました。今では地雷を踏んで怪我をする人も無くなり、主要作物のキャッサバ芋の畑がグリンベルトのように広がって、普通の生活が送れる村になりました。

日本人は優しい心を取り戻せ

私は現在、カンボジアの隊員5名と共に、IMCCDという組織を設立して活動しています。それと並行して、日本の皆様からのご支援で、学校や、井戸、道路、日本語教室、留学生の支援、日本の会社の誘致、ゴミゼロ運動など復興のための活動を続けています。野田塾のみなさんからも、毎年、心温まるご支援を頂き、地雷除去の活動経費として使わせて頂いています。

カンボジアの子供たちは、以前は、夢を持つことすら、できなかったように思います。でも、今では、皆様からの温かいご支援のお陰で、地雷原の村の子供達も、みんな夢を持って、一生懸命勉強できるようになりました。

私の予感では、今年から、日本も夢を持てる国に変化していくように思います。根本的なところから見直し、そして、「心の風船」を膨らませる活動をみんなで広めていけば、「優しい豊かな心」を持った日本人を取り戻すことが出来ると信じています。みんなで「広い豊かな心」を養っていきましょう。今年も野田塾の皆様の「夢の実現」を応援しています。