高山さんからの手紙
IMCCD 高山さんからの手紙 #012

IMCCD 高山さんからの手紙 #012

日本も、心豊かな国になってほしい

劣悪環境をパラダイスに

野田塾の皆様、こんにちは。ここカンボジアは、今は雨季の時期で午後にはスコールがやってきます。カンボジアの方は、このスコールは恵みの雨と受け止め、楽しそうです。特に農村地帯では雨が降る時期に降らないと農作物は育たないので困ります。私は、相変わらず国境地帯の地雷原の多い場所で村民と地雷処理をやりながら、地域の復興のお手伝いをしています。
 6年前にこの地域に入って地雷処理活動をやりながら、村人と一緒に住みやすい地域づくりに携わってきました。当初、村を見学に来た日本の方が言われたことは、「高山さん、ここは劣悪な環境で大変ですね」でした。しかし、最近になって、日本の方が来た方から、「高山さん、ここはパラダイスですね」という言葉をもらうことができるようになりました。

何事も積み重ねが大切

この村は地雷が沢山あって、思うように農業も出来ず、マラリアやデング熱、エイズなどが蔓延し、道路はぬかるみ、陸の孤島のような場所でした。どうしたら普通の生活が送れる場所になるかと困惑するだけで、地域を復興させるということまでは考えていませんでしたので、ただひたすら毎日毎日、デマイナー(地雷探知員)達と地雷原に行って作業をしました。村に住んでいたので、生活は村人の困っていることが直接伝わってきて、例えば、生命の危険な赤ちゃんがいたら何とか助けたいと思う、素掘りの井戸に少女が落ちて亡くなれば、ポンプ式の井戸に変えたいと思う、泥濘化した道路の先に学校があれば、通学路を作りたいと思う、学校に行けない村には学校があればいいと思うのは、ごく当たり前の考えだったと思います。
 村人と一緒に考え、それを一つ一つ解決するために、日本のみなさんに相談しご協力を頂いた結果が、「パラダイス」になったのだろうと思います。

訪れた人が感動する村に

 現在は、隣の村に移り活動しています。逐次に活動地を広げて、復興のモデル地域にしたいと考えるようになりました。今では日本の会社も4社が操業を始め、地場産業に発展する見通しも生まれてきました。先般カンボジア政府の副首相が現地を視察され、日本の皆様のご協力で復興しつつある現状に驚きと深い感謝の意を表しておられました。日本でも昨年、東日本大震災が発生し、現在その復興に向けて、頑張っておられますが、諦めなければ必ず復興すると信じます。 村には、スタディーツアーで見学に訪れる日本の大学生の皆さんが増えています。そして、皆さんが口をそろえて言われることは、「心地いい場所ですね。村の皆さんの笑顔が忘れられません」と感動されて帰られます。物やお金は日本に比べて貧しい地域ですが、心の豊かさには、人として本当に癒されます。是非、日本もカンボジアに負けないような心の豊かな国になって頂きたいと心から願います。今年度も私の所属するIMCCDの活動を支援して下さるため野田塾様から多額のご寄付を頂き、心からお礼を申し上げます。野田塾の皆さんが元気に心豊かな日々を過ごされ、目的に向かって楽しく進んで行かれますよう、カンボジアの地から応援しています。