高山さんからの手紙
IMCCD 高山さんからの手紙 #011

IMCCD 高山さんからの手紙 #011

日本人は、心の復興をせよ 

カンボジアの正月はとても楽しい

 野田塾のみなさん、こんにちは。この4月はカンボジアのお正月の時期です。そして年中で一番暑い時期でもあります。外気温は40度以上にもなります。お祭りごとの好きなカンボジアのみなさんは、4月に入ったらもうお正月気分になり、日本の昔と同じように、ほとんどのみなさんは、お父さんお母さんの居る故郷に帰って行きます。

 ここタサエン地区は、1980年代までは、深いジャングルの地域だったようですが、内戦時代に政府軍やベトナム軍に追われて逃げてきたポルポト軍の兵士や家族が作った村ですので、もともとこの地区の出身者はいないのです。でも、村に残って過ごす人たちもいます。私は、よく、村の人たちの家に呼ばれて、お正月料理を食べさせて頂きます。とても美味しいです。カンボジアの農村部は、日本に比べるとまだまだ貧しいのですが、みなさん隣近所が集まって、わいわいがやがや・・・実に楽しく過ごします。本当にみんなが仲良しです。日本人の私は、日本もこんな風に、隣近所が集まって、楽しむ時間がもっとあればいいのになぁ・・・と羨ましくなります。

カンボジアにいても日本が気になる

 私は、今カンボジアで地雷活動処理と、地域復興支援の活動をやっていますが、最近、とても気になるのは、日本のことです。日本は、戦争が終わってから、戦後復興を目指してみんなが頑張りました。日本人の勤勉さは世界中の方が認めるているように、実に素晴らしい国民なのです。ところが、戦後復興の柱である、経済復興に力を入れ過ぎて、日本人特有の「他人を思いやる心」が薄らいでしまいました。今、我々日本人がやらなければいけないのは、「日本人の心の復興」です。東日本で起きた未曾有の大震災は、大変悲しいものです。そして、1日も早い「復興」が課題になっています。

村の子どもたち

 この時期に一番大切なのは、日本人みんなが「心を寄せ合う」ことです。そして、そこから、日本人特有の「人を思いやる豊かな心」をもう一度、この日本中に取り戻さなければなりません。そうすることが日本を救うことだと思います。活動を通じてカンボジアの方々から、そんな「豊かな心」に気づかされ、それをみなさんに紹介しています。野田塾様のコンセプトも、そんなところにあるような気がして、もう長い間、お付き合いさせていただいております。

野田塾のみなさんと話したい

 おかげさまで、新しいNPO法人「国際地雷処理・地域復興支援の会(IMCCD)」の活動も、順調に進展しております。

 野田塾様からの募金などで、日本語教室で学んでいる子供たちも、少しずつですが日本語で会話ができるようになってきました。タサエンの地雷も、最近では怪我をする方もなくなってきました。今は、隣の村に移動して活動しています。国境地帯は、まだまだ地雷があるので、地道に活動を継続しなければなりません。最近は、日本の大学生のスタディーツアーで村を訪問される方が多くなってきました。地雷処理の現状と、地雷処理した後の村の復興をつぶさに見て帰られます。その方々の感想などを、IMCCDのホームページに掲載しておりますので見てください。「私も村に行ってみたい」という方がおられましたら、takayama@www.imccd.org 高山までご連絡ください。

 これからは、この「便り」が、一方通行ではなく、相互交流になれば素晴らしいと思っています。できましたら、今年は、野田塾様のところにも出かけて、みなさんとお話できる機会があればいいなあとも思っています。