高山さんからの手紙
IMCCD 高山さんからの手紙 #008

IMCCD 高山さんからの手紙 #008

IMCCD「NPO法人国際地雷処理・地域復興支援の会」設立を申請

新NPO法人の立ち上げを決意

 野田塾の皆様、こんにちは。暑い夏がやってきましたが、お元気ですか。私は相変わらず日本とカンボジアを往復しながら活動しています。もうこんな生活が10年くらい続いています。先回のお便りでもお知らせしましたように、私たちは新しいNPO法人を立ち上げて活動することにしました。会の名称はIMCCD(「NPO法人国際地雷処理・地域復興支援の会」)といいます。活動の目的は、「カンボジア政府機関のCMAC(カンボジア地雷対策センター)と共同で住民による地雷処理活動及び、自立可能な地域の復興を支援するとともに、相互の友好交流を促進し、もって平和構築の理念を内外に啓発する」というものです。

逆境は飛躍するチャンス

 3月11日に発生した東日本大震災で、今、日本中が大変な状況になっており、日本中の方々が心を痛めています。直接被害に遭われた方々は特に大変な日々を過ごされており、心からお見舞い申し上げます。本当に辛い境遇の中でこれからどうするかについて、模索しておられると思います。今回ほどの惨事ではありませんが、私も大なり小なり多くの苦しい状況を経験しました。その度に思ったことは、「このまま終わってたまるか!」という気持ちでした。

 人は、悲しみや、辛い境遇に立たされることがあります。挫折することもありますが、そのときにどうするかで、その人の人生は大きく左右されます。ある人は挫折したまま、悲しい人生を歩んでしまう、またある人は、「このまま終わってたまるものか!」と、奮起して、逆境をバネに、大きく飛躍するなど、人によって大きく分かれるように思います。

 私の経験では、逆境は考えようによっては大きく飛躍するチャンスだと思います。カンボジアでは、タサエン村のように地雷がまだ残っている地域で畑仕事をしたり、生活をしていますが、それを現実のものとして受け入れています。そして、政府の地雷処理対策に基づいて除去作業を行い、安全な土地が増えて少しずつ復興をしています。村の皆さんからは、「5年前と比べると考えられないような生活環境になりました。」と言われています。安全になったこともあり、日本の企業が来てくださるようにもなりました。村人の働く場所と言えば、畑で農作業をして現金収入で生活することだけでしたが、今ではこのタサエンに4つの日本の会社が来てくださったことにより、100数十名の村人が雇用され、大きな経済効果が生まれています。

野田塾のみなさん、ありがとうございます

 野田塾のみなさんが、毎年継続して募金活動をしてくださり、日本語教室の教材などプレゼントしてくださったお陰で、日本の高校に留学生を送り出すなど、今でも村の子供たちの夢を膨らませることが出来ています。地道な活動を継続すれば、そこからは大きな成果が生まれてくる可能性があります。新しいNPO法人は、7月には認可され活動することになると思います。野田塾のみなさんも、これまでのようにできるところから少しだけ活動に参加してくださると有難いです。

 現在、ここタサエンでは、昼間は外気温40度を超えています。また湿度は90%という過酷な状況ですが、みんな元気に生活してきます。私も村のみなさんに支えられて、「ター、今晩は私の家でご飯を食べてください」などと有難いお誘いを受けています。チャンスがありましたらみなさんも是非、タサエン村に来て体験してみて下さい。