高山さんからの手紙
IMCCD 高山さんからの手紙 #005

IMCCD 高山さんからの手紙 #005

厳しい暑さの中、地雷除去作業に励む 

雨不足の被害

 野田塾のみなさん、こんにちは。カンボジアは今は雨季ですが、雨季らしい雨が降らないので、村民はみんな困っています。今、畑にはダムロン(英語名ではキャッサバ)という芋と、とうもろこしが沢山植えられています。ところが、大切な時期に雨が降らなかったので、とうもろこしは大半がダメになっています。ダムロンも一部被害が出ています。

 しかし、自然に同化して逞しく生きるカンボジアの人たちは、笑顔は絶やしません。「ター、アッパニハ(心配ないよ)、また、来年沢山収穫できるように頑張ればいいから・・・・」と、私を励ましてくれるくらいです。カンボジアに来て9年目に入りましたが、彼らの大らかさに助けられて、ここまで来たのかなあと思います。

暑さに配慮して作業

 今の時期が一年で最も気候的に厳しい時期で、外気温が48度にもなります。また、湿度は90%を超えています。今日は土曜日で地雷原の作業はお休みですので、こうして原稿を宿舎の自室で書いていますが、30分に一度は、溜め置きした水を頭からザブザブかぶって、身体を冷やさなければなりません。

 地雷原では、デマイナー(地雷探知員)達も吹き出る汗を拭いながら、作業をやっています。以前は熱中症にかかり、気を失って倒れる者もいましたが、現在は30分作業して15分休むなど、厳しい環境を考慮した作業時間に配慮していますので、倒れる者はいなくなりました。私もまだ63歳の若さですので、20代の彼らに負けてはおれません。休憩時間になると「ター、(カンボジア語でおじいさん)ここに座って休みませんかと、私の身体を気遣ってくれます。一緒にカンボジアの野の果物を食べながら、他愛のない雑談をする時が実に楽しく、疲れた身体にエネルギーが戻ってきます。

夕方からは日本語教室

 朝6時半に宿舎を出発して地雷原に行き、午後3時半過ぎに地雷原から出ます。その後は、村を回って井戸の状況など村人と話し合います。宿舎に帰って水をかぶって身体を冷やし、気分を切り替えて、5時から今度は近くの小学校に行って、日本語を子供たちに教えます。私は中級クラス約18人を教えていますが、初級クラスでは私の通訳が教えています。

 最近その初級クラスが増えて70名くらいになりました。それは今年の4月から青森県の八戸市の光星学院高校に、チエンターという女の子(留学生)を送ったので、その効果が出たのだと思います。私は「頑張ればみんなにもチャンスがあるよ」と言っています。もう日本語教室を始めて3年近くになりますが、コツコツと弛まずやっていれば、チャンスが到来した時に、それを掴むことが出来るのだなあと、そう思います。地道にコツコツとやっていれば必ず成果となって表ることを、村人は感じてくれたのだろうと嬉しくなります。やはり、夢を諦めたら何も残りません。強い意志で夢を諦めなければ、必ずそれを掴むことが出来るのだろうと思います。第二のチェンターを目指してみんな楽しんで日本語を勉強しています。今日もこれから日本語教室に出かけますが、中級クラスは昨日から漢字の勉強もすることになりました。「沢山は覚えられないので、一日に2文字の漢字を教えて下さい」と言うので、今日も2文字の漢字を教えます。

  昨日は「私」という字を教えましたので、今日は「貴方」という字を教えようと思います。“ちりも積もれば山となる”のことわざのように、夕方5時から6時の一時間ですが、もうかなり喋れる子も出てきました。日曜日の午後はパソコン教室も宿舎でやっていますが、これも30人くらい来ます。パソコンが1台、私のを入れても2台しかありませんが、子供たちは交代しながら楽しんでやっています。今回の報告は、こんなところですが、野田塾の皆さんからの募金も彼らのために使わせて貰っています。有難うございました。