IMCCD 高山さんからの手紙 #003
今年も地道な活動を進めます
カンボジアの家族
この時期は、乾季の時期ですので、村々ではリプカー(結婚式)があちこちで行われます。大概は二日間にわたって行われますが、日本のような結婚式場はなく、家の前にテントを張って、大音響の音楽を流して盛大に行われます。1月から3月が最盛期で、一か月に6~7回も村人の結婚式に招かれることもあります。
カンボジアの結婚形態は、通常は、男性が女性の家には入る(日本では婿養子ですね)ということになります。ですから家系の継承者は女性ということです。一家3世代、4世代で暮らしている場合も珍しくありません。家族や兄弟、親戚の絆は、本当に強いものがあり、皆さんは仲良く助け合って暮らしています。また、お年寄りを尊敬し大切にしていて、9月の中旬から10月初旬にかけて、プチュバンという行事があります。これは日本のお盆に当たるもので、若者は音伊従にお金や品物をプレゼントします。貰ったお年寄りは、それを近くのお寺に持っていきます。これは仏教の教えだそうです。お年寄りを大切にしたり、信仰心が子供たちにまで浸透していたりすることは、実に微笑ましい姿です。
お正月は4月
カンボジアのお正月は4月13日から15日です。この時期はまだ乾季で、一年中で一番暑く、外気温は40数度にもなります。地雷除去作業をしているデマイナー(地雷探知員)達は、現場で私の顔を見て、「ター・・・(お年寄りに対しての敬語)・・・カダウナッ(とても暑いですね)」と、言います。私は、「トーモダーカダウ・・・カンプチア(カンボジアだから暑いのは当たり前だよ)」と笑って見せます。彼らも笑いながら、「仕方がないなあ・・・」といった顔をします。私も実は顔をしかめたくなるほど、暑さには参っているのですが、やせ我慢で凌いでいます。
対人地雷の確認
しかしながら、乾季は雨季に比べてとても活動がし易いので助かっています。雨季は、村々の何処に行くにも不便ですが、乾季は車がスタックすることもなく、地雷原以外はどこにでも車を入れることができます。道路を車で走ると、もうもうとした砂埃で大変ですが、雨季の時期にスタックすることから考えれば、随分と楽です。
地雷除去作業は、毎日村人と一緒に地道にやっています。4年間で約160ヘクタール以上を安全な土地にしました。その安全になった土地には、大豆や小豆、とうもろこしやダムロンという芋が植えられて、少しずつですが村人の生活も向上してきました。地雷除去作業が終わって、夕方の5時から約1時間、村の子供たちに日本語を教えています。一年半が過ぎましたが、今年はその中の高校生の留学(青森の光星学院高校)が叶うかもしれません。
自立の定着に悪戦苦闘
野田塾関係者の皆様の募金で実施している「ゴミゼロ運動」は、悪戦苦闘中です。「ゴミを捨てない、ゴミを見たら拾う」という習慣が如何にしたら定着するかを、試行錯誤しながら、やっています。また、プレゼントされた井戸は、故障したら自分たちで直して使うということが如何にしたら定着するか・・・・・これも悪戦苦闘中です。「自立」ということを言いますが、実に難しいことだと実感する毎日です。でも、決して諦めることなく「夢」を実現して、ご支援くださっています皆様に成功の喜びを伝えるまで、地道に活動したいと思います。
今までにも、もっともっと苦しいことに遭遇して、それを皆様の励ましで克服してきたことを思い出せば、また勇気が湧いてきます。ご支援を下さっています皆様と今年も地道な活動を一歩一歩進めて行きたいと考えています。今年も野田塾関係者の皆様にとって実り多い素晴らしい年になることをご祈念申し上げ、新年の投稿記事といたします。オックンチュラン(有難うございます)