第20回|小学生夏休み|読書感想文コンクール
第20回 小学生夏休み読書感想文コンクール 最優秀作品が決定!
毎年夏休みに合わせて開催されている「小学生夏休み読書感想文コンクール」は、今年で20回目の節目を迎えました。
野田塾各校では7月に「読書感想文書き方教室」を行い、読書感想文を通して、自分自身の気持ちの変化、希望や決意を表現することを確認しました。これがコンクールの選考基準にもなっています。各学年の最優秀作品についての選評を以下に紹介いたします。
4年生の部最優秀賞には、名古屋市の林さんの「仲良しっていいなすてきだな」という作品が選ばれました。読んだ本に出てくる二匹の犬の様子や関係性から、身の周りの人に対する接し方を見つめ直すことができています。素晴らしい作品でした。
5年生の部最優秀賞には、岡崎市の菅田さんの「百まいのドレスを読んで!」という作品が選ばれました。自身の経験と本の内容を重ね合わせ、本を読んだことで一層強まった「いじめに対する思い」を表現した力作でした。
6年生の部最優秀賞には、岡崎市の新野さんの「勇気をもつこと」という作品が選ばれました。本の主人公と自身を比べながら、成長するにあたって「勇気」が足りなかったと自覚し、今後につなげようとしています。前向きな気持ちが感じられました。
今回の読書感想文コンクールが、生徒の皆さんの成長するきっかけになっていればうれしいです。たくさんのご応募、本当にありがとうございました。
最優秀賞を受賞されたみなさんの作品
4年生の部 名古屋市守山区 林さん 「仲良しっていいなすてきだな」
「あっ、この犬おばあちゃん家でかっている犬にそっくりだ!」ぼくは、む中になってその本を読んでいました。「そっくりだ!」と思った犬は、人間のいたずらで、足を一本失っていました。ぼくは、悲しかったのと同時に、同じ、どこかの人間にすごくはらが立ちました。
未来には、とても仲良しのきららという犬の友達がいて、ぼくはうれしかったです。「友達は長い時間をかけて作り出す、宝物だよ。本当の仲良しは、悲しい時も一しょにいるんだよ。」という言葉が心に残りました。二ひきの関係は、母と子みたいで、でも、もっと仲良しの姉と妹みたいで、すてきな関係だなと思いました。
ぼくには、二人の弟がいますが、きららと未来の様に分かり合えないことが多いです。どうしたら、こんなにも仲良くできるのか、犬と人間は仲良くなれる方法がちがうのかなと思いました。
きららも未来も人間に捨てられたり、ひどいことをされても人間にし返しをしなかったことがすごいなと思いました。ぼくも、弟にいやなことをされても、し返しをしなければ、仲良くなれることを教えてもらいました。
色々な思いを乗りこえながら、二ひきの犬が仲良しになっていく姿を読んでいると、とてもほほえましかったです。それは、決して犬だからではなく、人間が友達になっていく姿と同じだと思いました。
そして、犬でも人間でも、仲良しの子が一人でも居れば、毎日楽しい!ということを感じました。それには、おたがいの歩みよりが大切だと思いました。まずは、ぼくの家族、友達、クラスメイト、身の周りの人と仲良くすごしたいです。悲しい時も一しょにいたり、つらい時も話しかけたり、聞いてもらい、支え合いたいなと思いました。
5年生の部 岡崎市 菅田さん 「百まいのドレスを読んで!」
私の同級生に、いじめられている子がいた。彼とろう下で、すれ違うだけで、息を止める。彼が、そこにいても、いないかのように悪口を言う。授業中、答えを間違えたら、仲間内で、ばかにして笑う。一体、彼が、みんなに何をしたというのだろう。
そうじの時間、彼の机を誰も運ばないので、私が運んだ。その時、いじめをする子の一人に、彼の机を運んだ手で、自分の机にさわるなと言われた。彼らにとって、彼の机はきたない物らしい。あわてて、自分達の机を運んでいる彼らの後ろ姿を見ていたら、心の底から、いやな気持ちになった。私には、彼の何が気に入らないのか、全くわからない。誰も彼の味方をしないのなら、私だけでも、彼の味方になりたいと思った。
そんな時に、この「百まいのドレス」を読んだ。しわだらけで、色のはげたワンピースしか持っていない、貧しいポーランド人のワンダ。戸だなの中に、百まいのドレスを持っていると言ったために、いじめられてしまう。「百まいのドレス」とは、ワンダが書いた絵だった。クラスメートのマデラインは、いじめをいやだと思いながらも、何もしなかった。ワンダは転校してしまい、後かいしていたマデラインは、いじめる人がいたら、はっきり言おうと心に決める。
貧しい事も、ポーランド人であることも、ワンダのせいではない。自分では、どうにもならないことをいじめの理由にするのは、おかしいと思う。
人はなぜ、いじめをするのか。理由なんて何でもいいのかもしれない。私だって、いついじめられるか、わからない。それでも、いじめる人がいたら、立ち向かおうと思う。私は、どんな時も、公平で、負けない強い心を持ち続けたいと思った。
6年生の部 岡崎市 新野さん 「勇気をもつこと」
ぼくは上手にしゃべれない。この本の主人公と同じだと思った。ぼくは人前で話すと緊張して小さな声しか出なかったり、話している途中で言葉がつっかえてしまう。思っていることを言葉に出せず、答えが分かっていても手を挙げて発言することすらできない。そんな自分を変えたいといつも思っているが、そんなことは簡単にはできない。この本を読んで少しでも自分を変えるヒントが得られればと思い読み始めた。
この本の主人公、柏崎悠太のしゃべれない理由はぼくとは違っていた。悠太は、吃音という日本では障害に認められていない発達障害のため、言うべき言葉は見つかっているのに、それが声に出なかったり、声を出すのに何度も同じ言葉を繰り返してしまったりする。原因も分からず、治療方法も確立されていない病気だ。悠太はスムーズにしゃべれないため、嫌がらせをされたり、悪口を言われたりして、どんどんしゃべるのが難しくなっていった。それでも、中学生になり、自分の意志で放送部に入り、頑張ろうとしていた。嫌な思いをしてふさぎこんでも、家族や新しくできた友達や先輩に支えられていることに気づき、前向きになる姿にはぼくにはないものを感じた。その後、悠太は市内の弁論大会で発表するまでに成長する。吃音のまま発表をする悠太に、ぼくはとても胸を打たれた。
ぼくは、悠太とは事情は違うにしても、この本を読んで勇気をもらった。自信がなくても、勇気がもてないだけでぼくはスムーズにしゃべれる。吃音で上手にしゃべれない悠太でも勇気をもてば大勢の前で発表もできる。ぼくに足りないものはほんの少しの勇気だと思った。人前で話すことが苦手でも、悠太のように勇気をもって話すことができるように、これからは努力していきたい。
各賞を受賞されたみなさん
FM AICHI賞
- 小4|岡崎市|平野さん
- 小5|岩倉市|島田さん
- 小6|名古屋市中川区|成田さん
CBCテレビ賞
- 小4|岩倉市|山内さん
- 小6|日進市|白崎さん
中京テレビ賞
- 小4|刈谷市|加藤さん
- 小5|みよし市|谷口さん
- 小6|稲沢市|水野さん
中日新聞賞
- 小4|江南市|土本さん
- 小5|名古屋市昭和区|福楽さん
- 小6|春日井市|石上さん
テレビ愛知賞
- 小4|名古屋市緑区|岩田さん
- 小5|稲沢市|安井さん
- 小6|名古屋市北区|倉内さん
東海テレビ賞
- 小4|名古屋市西区|加藤さん
- 小5|名古屋市天白区|佐藤さん
- 小6|稲沢市|田井さん
東海ラジオ賞
- 小4|名古屋市中村区|増田さん
- 小5|春日井市|藤本さん
- 小6|小牧市|中沼さん
メ~テレ賞
- 小4|名古屋市西区|藤江さん
- 小5|一宮市|堀さん
- 小6|名古屋市緑区|倉地さん