読書コンクール
第13回 読書コンクール

第13回 読書コンクール

第13回 読書コンクール 最優秀作品が決定!

野田塾では、小学部塾生のみなさんに、より良い読書をすすめるための『読書コンクール』を開催しています。13回目の実施となった今回も、読書感想文か読書画にあらわした作品を野田塾各校舎で提出するかたちでコンクールを実施しました。以下に4年・5年・6年の最優秀作品を掲載します。

4年生の部 最優秀賞 刈谷南市 Aさん 「牛をつないだ椿の木」

この「牛をつないだ椿の木」という話は、主人公の海蔵さんがみんなのために井戸をつくった話です。
 井戸を作ると固い決心をしてその思いにつき進んでいく海蔵さんは、すごくかっこいいと思いました。
 わたしが、この本のなかで一番印象に残っている場面は、地主さんが、「長い生がい、自分の欲ばかりで、人のことなどちっとも思わずに生きてきたが、今、はじめてお前さんのりっぱな心に動かされた。」と言ったところです。きっとだれもが人のことより自分の欲をまっ先に考えるのではないかと思います。でも海蔵さんは、地主さんのことよりも、自分の仕事のことばかり考えてしまった悪い心になっていたことを、素直に地主さんに話しあやまりました。正直な心で接すると、ちゃんと相手にも伝わって心を動かすことができるのだと思いました。そして海蔵さんは、自分の悪いところをちゃんとみとめることができるひとだなあと思いました。
 わたしは、相手に悪い思いをいだいていたことを正直に相手にいうことはできません。でも、海蔵さんのように自分の悪いところをみとめること、そして、うをつかないことをこれから実せんしていきたいと思います。
 海蔵さんに会ったら、聞いてみたいことがあります。海蔵さん、戦争に行って帰ってこれなかったけれど、井戸ができて幸せでしたか?みんなが水を飲むすがたを見ていたくなかったですか?みんなに自分が作ったことを言わなかった海蔵さん、人の喜ぶ顔を作ることができた海蔵さん、人のためになることを残していった海蔵さん、そんな海蔵さんからわたしは、自分の欲ばかり考えてはいけないことを学びました。
 海蔵さん、ありがとう。

5年生の部 最優秀賞 名古屋市 Bさん 「ハチ公物語」

私は犬を飼っています。黒い大きな丸い目の犬です。この本の表紙は、おなじような目をしたかわいい子犬の写真でした。どんなお話なのかな?私は早く読みたくなりました。
 ハチが上野先生の家へきたのは、生後2か月のとき。ハチと先生はとても仲良く楽しくくらしたけれど、突然、先生は亡くなってしまいました。それからハチは、毎日、渋谷駅へ先生をむかえに行き、9年間も、決して帰ることのない先生を待ち続けました。なぜハチは毎日渋谷駅にむかったのかな?犬だから先生が亡くなったことがわからなかったのかな?でもお通夜の日、先生のひつぎが置かれた机の下にもぐりこみ、ハチはずっとそこにいました。先生とのお別れがわかっていたのだと思います。
 先生は、ハチを本当の子供のようにかわいがり、病気の時はずっとそばについて看病してあげました。先生にとってハチは、飼い犬ではなく、家族の一員です。ハチも、その気持ちを理解できるかしこい犬だと思いました。先生が亡くなって、住んでいた家も他人のものになり、先生との思い出が残る場所が、先生を待っていた渋谷駅だけになってしまったから毎日向かったのではないかと思います。
 9年間、帰ることのない上野先生を待ち続けてなくなってしまったハチ。悲しくて涙がでました。でも、ハチの最期の顔は、おだやかで少しほほえんでいるようでした。きっと、天国で、ずっと会いたくてしかたなかった先生と会えたのだと思います。やさしく「ハチ」とよび、両手を広げハチに笑いかける先生とそれを見てうれしそうにかけよるハチの姿が目に浮かんできました。よかったね、ハチ。これからはずっと大好きな先生といっしょだよ。
 家族や友達の大切さ、そしてその人たちが突然いなくなる悲しみ。私は、この本を読んであらためて、そのことをいろいろ考えました。

6年生の部 最優秀賞 津島市 Cさん 「フランダースの犬」

 私は、「フランダースの犬」をじっくり読んだことがありません。この本は、昔からずっと愛され続けた名作です。なかなか読むときがなかったけれど、読書感想文という形で、じっくり読むことができました。また、感想も書きやすそうだったので、この本を選びました。
 本の内容は、心優しい少年ネロとネロの大親友パトラッシュは、牛乳売りをしていました。クリスマスイブの日に亡くなってしまうというお話です。 ネロとパトラッシュは、兄弟よりも仲良しでした。食事はスープとパンですが、ご飯がないときもありました。私たちの今のくらしからは考えられません。今でこそ、満足した食事、くらしができているけれど、戦争のときは、もっと食事に困っていたと思います。そういうふうに考えると、今は、とてもぜいたくをしているのだと思いました。この本で一番心に残っている場面があります。それは、ネロとパトラッシュが亡くなってしまうところです。パトラッシュはネロとならいっしょに死んでもいい。という思いで亡くなったと思います。それが一番、二人にとって幸せなことだったのだと思います。私もパトラッシュみたいに大好きな人のためなら、どうなってもいいと思えるようになりたいです。この本は、とても長い年月、愛されてきた名作です。考え方は人それぞれです。幸せと感じるときもひとそれぞれです。このことに気づかされました。これからは、この本で得た気づき・人の考え方はそれぞれということを生かしていきたいです。